ケルクショーズ・イリヤ 3号店(Quelque chose, Il y a - troisième)

Il solito tran tran(でも明日は何か新しいことを考えるだろうか……)

「登録商標」と「商標登録」のふたつがあった、それと「ググる」という商標の希釈化

 校正をしていて「登録商標」ということばが出てきて、商標登録とのちがいがわからなくなって混乱した。特許翻訳やってたけど、わからなくなることもある。ちょっと、おさらい。

 

 そもそも「標章」というのがあって、ひとが認識できる図形や色彩パターンなどのことで、それが商業的に利用されているものを「商標」という。

 

 商標自体はどの企業でも主張することができるけれど、それを他人に使わせず独占しようとするには、商標を(特許庁で)登録する必要がある。それを商標登録出願と言ったり、登録していることを示す商標登録表示がある。

 

 「登録商標」というのは、そのまま登録された商標のこと。よく「丸Rマーク(®)Registered tradmark」で表示されるもので、登録していないのに登録商標と言ったり、丸Rマークを使ったりすると商標法違反になる。

 

 記憶に新しいものでは、昨年の「マリカー事件」がある。マリオカート®の略称ということで任天堂がマリカー社を訴えたけど、裁判所で棄却されたやつ。まあ、ドラクエも、スタバも、ポテチ(湖池屋)も登録しているので、略称も商標登録するのがリーガルリスクマネジメントの基本なのだろうと思う。

 

 ポテチ®を調べているうちに、商標が普通名称化することを知った。「時計」とか「美容」とか「エスカレーター」とか「ヨーヨー」とか「魔法瓶」も、最初は登録商標だったらしい。それが普通名称となったため、商標権を行使できなくなった。そんなこともあるのかと。

 

 商標を汚染したり希釈したりすることは、訴えられることもある。例えば、1987年にラブホテルが「シャネル」というホテル名をつけて、毀損・汚染(tarnishment / pollution)として訴えられたことがあるらしい。ほかにもいっぱい判例がみつかった。

 

 希釈(dilution)として面白かったのは、ゼロックスが「ゼロックスする(コピー機でプリントアウトする)」という言いかたが流行ったときに、希釈に抵抗するため「You cannot "xerox" a document, but you can copy it on a Xerox Brand copying machine.」という広告を打ったらしい。アメリカではティッシュのことを「クリネックス」というので、これも希釈化で、普通名称化だろう。日本だと「ホッチキス(ステープラー)」かな。

 

 それを考えると「ググる」は希釈化だろうから、商標法的にはよくないのだろうと思った。このあたり、仕事上で使うときは気をつけなきゃいけないと背筋がすこし凍る。名誉毀損とかは気をつけるけど、希釈というのは気をつけてなかった。知財についてはもう少し勉強しようと思う。