ケルクショーズ・イリヤ 3号店(Quelque chose, Il y a - troisième)

Il solito tran tran(でも明日は何か新しいことを考えるだろうか……)

定期的に音楽を購入しようと思う(1)――「La Lista」「Hotel Key」「Shape of You」「Street Dreams」「ヒカリヘ」「C.h.a.o.s.m.y.t.h.」

  このあいだまでストリーミング配信のSpotifyを利用させてもらっていたけれど、やっぱり納得いかないところがあってやめた。今日からはiTunes Musicで一曲ずつ購入してみることにした(これも実験なのでやめるかもしれない)。

 

 半年ほど前に小林大吾さんの「オーディオビジュアル」(2,052円)のアルバムCDを買ったけれど、やはりCDはそんなに増やしたくない(CD自体が凝っているものは別)。

 

 

 

 その前は、確か酸欠少女さユりさんの「ミカヅキの航海」(2,700円)だった気がする。RADWIMPSの野田さんがプロデュースと楽曲提供をした「フラレガイガール」が聴きたかった。

 

 新宿駅から仕事場に向かう途中、フラッグスビル(小田急エージェンシー)のブラッグスビジョンにタワレコのCMだったか、モード学園のCMだったか、YAMAHAのCMだったか忘れたけれど、「フラレガイガール」が流れてきた。だれかがあの大型ビジョンのデジタルサイネージCMに百万円前後のお金をかけてくれたおかげで、私はあの楽曲と出会った。

 

 

 その前後で「音楽チャンプ」で有名になった琴音さんのライブに行って、物販がひとつもなくて悲しんだり、「ウエノ・ポエトリカン・ジャム6 〜はしれ、言葉、ダイバーシティ〜」の無料開催のためにクラウドファンディングでドネーションしたり、たぶん、それぐらいしか音楽にお金を使っていない。

 

 そういうわけで、あまりいい方法ではないのかもしれないけれど、iTunes Musicで200円とか250円とかで楽曲のデジタルデータを購入させてもらうことにした。ただ、そんなにお金持ちではないので、毎回5~7曲ぐらいに収めていこうと思う。

 

 今回は、Aldreyさんの「La Lista」(200円、Aldrey、2013年)、Old Dominionさんの「Hotel Key」(250円、Sony Music Entertainment、2017年)、Ed Sheeranさんの「Shape of you」(250円、Asylum Records UK、2017年)、Zeebraさんの「Street Dreams」(200円、Pony Canyon、2006年)、miwaさんの「ヒカリヘ」(250円、Sony Music Entertainment、2012年)、ONE OK ROCKさんの「C.h.a.o.s.m.y.t.h.」(250円、A-Sketch、2011年)の6曲を購入した。

 

 「La Lista」(Aldrey)は、南米っぽいスペイン語がここちよいノリノリの楽曲。死ぬまでにやりたいことのリストを作って、その一番上が「君」だったという話で、すごく好き。サビは「Tú estas en el tope de mi lista/君は僕のリストの一番上に存在している」ということをひたすらリフレインする。やりたいことリストのなかに「comerme unas ranas en Taiwán/台湾でカエルを食べる」という項目があって、けっこうハードなリストになっているなあとひと笑い。

 

 「Hotel Key」(Old Dominion)は、ピローファイトの楽曲で、オブリークなビーツケープがすごく好き。ジャンル的にはポップカントリーだと思う。冒頭の歌詞を引用・翻訳する。

 

Well it was down some street we couldn't even pronounce
We were smoking a little from a half an ounce
The tequila was cheap but the flow we were feeling was real
Neither one of us looking for three little words
Unless those three words were 'do not disturb'
Checkout was s'posed to be noon but we slept in 'til three
ああ、もう名前も覚えてないどこかの道を下って
ちびちびとハーフオンス分だけの煙草を吸って
安っぽいテキーラだったけど、俺達の感じた空気は本物だった
俺にも、あちらさんにも、あの三語(※)は要らないけど
その三語が「使用中」だったら必要かもしれない
チェックアウトは正午のはずだったけど、俺達は三時まで起きなかった
※"I love you"のことだと思われます。

 

 こういう遊び心のある歌詞すごく好き。しかも連符を効かせながらつらつらと歌うので、なんかいいこと言っている感じがする(笑)。じぶんのなかのフィクショナルな世界を築いてくれる楽曲。

 

 「Shape of You」(Ed Sheeran)は、奥手男子の自意識の楽曲、あるいは欲望と理性のバランスを言語だけでとろうとしている男の子の妄想練習歌。「Girl, you know I want your love/Your love was handmade for somebody like me」(ねえ、わかるだろ、きみの愛情を求めてる/きみの愛は特製で、ぼくみたいな人間が注文したんだろうね)という超童貞くさいサビとリフレイン。ここは本当にたまらない。「Every day discovering something brand new/見るもの全てが新しく感じられる毎日」というリフレインも、恋愛に抱いているイメージの最たるもので、でも出てくる具体例は「初デートの帰りのタクシーでラジオをかけてもらって後部座席でキスする」みたいなもので、とにかく悶絶する。エロティックに歌っているのに、中身の妄想がキュート。他にも悶絶モノの歌詞がずらずらと。

 

 「Street Dreams」(Zeebra)は、日本のヒップホップシーンを築き上げてきたZeebraさんの自伝的な楽曲。若いころ、威勢がいいだけのガキで、本場アメリカに行っても「なんだこの変なジャパニーズ」みたいに見られたネガティブな経験を「為せば成る」で諦めずに乗り越え続けてきた話であり、若手のラッパーに夢と希望を与える応援歌だと思う。10年以上たって、いま聞くとすこしダサく聞こえるところもあるけれど、そんなことすらどうでもよくなるほど高いバイブスを感じる。

 

 「ヒカリヘ」(miwa)は、四つ打ちのダンサブルな雰囲気を重視していてあまりmiwaさんっぽくないけど個人的にめちゃくちゃ勉強になった楽曲。特にサビの循環コードを浮遊させるテクニックがすごいなと。ベタなコード進行のなかに驚きの要素を入れながら、素朴な歌声を引き立てるベタっぷりが聞いてて心地よい。そういう曲作り全体のセンスが、シンガーソングライターのなかでも群を抜いていると思う。あと歌詞の全体から感じる知性の高さ(?)がかなわない。余談だけど「ヒカリヘ」(カタカナヘ)は「ヒカリへ」(ひらがなへ)ではないので、校正者・編集者はお気をつけくださいませ。

 

 「C.h.a.o.s.m.y.t.h.」(ONE OK ROCK)は、私がTakaさんを一番感じる楽曲。森進一さんと森晶子さんのサラブレッドとして生まれて、小さい頃からビッグな親と折り合いをつけるのがむずかしくて、いろいろなことを言われて、そのなかでも夢を追い続けてきて、ジャニーズのNEWSを辞めて、両親が離婚して、インディーズに戻って、とうとうその夢を叶えてしまって、それでもなお歌い続けているTakaさんのリアルなことばがつまっていて、聞くたびに泣くので合理的にプロットをつめているときや校正の仕事のときはあまり聞けない。ちなみにTakaさんもライブで泣きながら歌う。

 

 音楽との向き合いかたを考えるようになったのは、billboardでゴールデンボンバーの鬼龍院さんのインタビューを読んでから。ほんの最近のこと。

 

 

 音楽と本気で向き合っているウェブメディアで書いていたこともあるけれど、私自身やはりまだよく向き合いかたがわかっていない。定期的に購入しながら、じっくり考えていこうと思う。