ケルクショーズ・イリヤ 3号店(Quelque chose, Il y a - troisième)

Il solito tran tran(でも明日は何か新しいことを考えるだろうか……)

妊娠中の不安のことを「マタニティブルー」、疑問出しするか迷った

 校正をしているときに「マタニティーブルー」ということばが気になった。マタニティブルーというのは「産後」の話だが、妊娠中の不安について用いられていた。英語版のウィキペディアでひとまず確認する。

 

Maternity blues, also known as baby blues and postpartum blues, is a transient condition that 75-80% of mothers could experience shortly after childbirth with a wide variety of symptoms which generally involve mood lability, tearfulness, and some mild anxiety and depressive symptoms. Baby blues is not postpartum depression, unless it is abnormally severe.
(マタニティブルーズ、あるいはベビーブルーズや産後ブルーズは、75-80%の女性が産後のわずかなあいだに経験する変調である。その症状は多岐にわたり、情緒不安定、涙もろくなる、軽度の不安やうつ状態がある。ベビーブルーズは産後うつとは異なり異常性がない。)

 

 マタニティブルー(ズ)というのは、「postpartum(after childbirth)」であり、厳密に言えば妊娠中に用いるものではない。けれど、検索してみると明らかに通用している感じがする。ただ、スルーはどうかという疑念もあり、定義を押しつけない感じのライトな疑問出しをしてしまった。

 

 その代わり(?)「ブルーズ」については英語表記だけ載せつつ、明確に指摘しなかった。専門書ならまた別の事情があるかもしれないが。

 

 妊娠中の不安について名称を探したけれど、よくわからなかった。おそらくちょうどいいことばがないから、マタニティブルーが妊娠中の不安にまで拡張してきたのかなと思う。いちおう「ノイローゼ」もあるが、あまりに本格派の響きがあるので敬遠されているのかもしれない。

 

 ちなみに日本語版のウィキペディアには「マタニティブルー」がなく、「育児不安」が項目化されている。

 

 1987年にプルーエットという学者が「paternity blues」(男性版ベビーブルー)の研究結果を出したが、それほど浸透していない感じを受けた。男性の対児感情の研究は進んでいるのだろうか。うちの父親はパタニティーブルーでコケて家庭参加できなかった人間なので、このあたりもっと研究が進むとうれしい。